現代の理論アーカイブ

現代の理論アーカイブについて

編集部

『現代の理論』アーカイブでは、第一次から第三次にいたる雑誌『現代の理論』に掲載された論文のうち、再読すべき主要論文を編集委員会が厳選して紹介いたします。また読者のみなさんのご要望にもお応えします。発信媒体の多様化によって目先の時局論・政局に流されることのない骨太で息の長い理論の発信を目指してきました。常に現実や実践への思考を内包し、理論の自立性を掲げての50年―それが雑誌・『現代の理論』の歴史でした。そのような先達の営為をあらためて回顧することによって、「今だからこそ」問われなければならない現代的課題の再発見が可能となることを確信しています。

いま日本は先の国会で戦争法案が強行採決され、世界での軍事発動・戦争加担への道を開きました。それも一片の閣議決定で歴代自民党内閣すら守ってきた集団的自衛権行使はできないとの法制局見解を覆し、ほとんどの憲法学者や元最高裁長官ですら憲法違反と指摘する同法の強行は、安倍晋三による憲法へのクーデターです。来夏の参院選の結果如何では憲法改悪の危険性が増大し、日本の行く末には暗雲が立ち込めています。私たちがこれらにどう立ち向かい、どう生きるかも問われています。

今号のアーカイブは、一貫して護憲の論陣をはり、軍事・安全保障の論客である前田哲男さんの第3次『現代の理論』23号(2010春号)の「新政権下『積極的護憲』の道を探る」と同号の住沢博紀さんの「民主党と政策としての日米安保」を掲載します。前田さんは、積極的護憲を軸に現実を見据えた安全保障政策の対抗構想の構築が重要と提起。住沢さんは、軍事・外交・経済複合体となった日米安保を脱構築し、東アジア共同体と両立しうる日米同盟の新しいあり方が求められると。いま野党の連合政府論や統一戦線、選挙協力が死活の問題として課題となっています。両論文は大いに参考になると思います。

論文アーカイブ

第三次『現代の理論』第23号(2010年春)/特集●「日米中・安保・沖縄」

「新政権下『積極的護憲』の道を探る」前田 哲男

第三次『現代の理論』第23号(2010年春)/特集●「日米中・安保・沖縄」

「民主党と政策としての日米安保」住沢 博紀

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