現代の理論アーカイブ

現代の理論アーカイブについて

哀悼―沖浦和光さん・・・・・・・編集委員会

『現代の理論』アーカイブでは、第一次から第三次にいたる雑誌『現代の理論』に掲載された論文のうち、再読すべき主要論文を編集委員会が厳選して紹介いたします。また読者のみなさんのご要望にもお応えします。発信媒体の多様化によって目先の時局論・政局に流されることのない骨太で息の長い理論の発信を目指してきました。常に現実や実践への思考を内包し、理論の自立性を掲げての50年―それが雑誌・現代の理論の歴史でした。そのような先達の営為をあらためて回顧することによって、「今だからこそ」問われなければならない現代的課題の再発見が可能となることを確信しています。

今回は、さる7月8日に88歳で逝去された沖浦和光さん(桃山学院大学元学長、本誌編集委員)哀悼のアーカイブです。沖浦さんは第2次、第3次の現代の理論の中心人物でした。その歴史は戦後学生運動、芸術論、ヘーゲルからマルクス、環境論、そして被差別問題や民衆の芸能、比較文化論、アジアのなかの日本など、まさに多面的・多角的なスケールの大きな思想的営為でした。そして、その大阪人特有の気さくさから全国に沖浦さんを慕う集り(沖浦会)がありました。つい最近まで、その“沖浦節”は健在でした。

沖浦さん哀悼の想いで、今回のアーカイブで紹介したのは第3次『現代の理論』7号(2006年春号)。沖浦さんが、“おい、オレに一号企画させろ”の申し出による「特集―日本文化―その成り立ち」であり、掲載したのは東北学の赤坂憲雄さんとの巻頭対談です(特集内容は、ホームページに掲載の「第3次現代の理論総目次」参照)。もう一本は、30号掲載(2012年春)の「連載 [抗う人] 民に寄り添い差別に抗う~沖浦和光」で大阪のジャーナリスト・西村秀樹さんの筆です。沖浦さんの評伝ともいうべきもので、その軌跡、業績、人となり、武勇伝の一端などが紹介されています。

それにしても沖浦さん、今頃は先に亡くなられた安東仁兵衛さんや堤清二さん、丸山真男先生らと談論風発されていることでしょう。

論文アーカイブ

第三次『現代の理論』第7号(2006年春)/特集「日本文化──その成り立ち」

「巻頭対談 日本文化の多様な構造」赤坂 憲雄×沖浦 和光

第三次『現代の理論』第30号(2012年春)/特集「日本はどこへ? 希望はどこに」

「民に寄り添い差別に抗う~沖浦和光」ジャーナリスト・西村 秀樹

論文アーカイブ

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